映画から学ぼう。自分の感情を呼び起こしてくれるよ。

『ネバ―エンディングストーリー』から学ぶ

『ネバ―エンディングストーリー』
ファルコン
1984年 西ドイツ・アメリカで制作・公開
1985年日本公開
95分
監督脚本:ウォルフガング・ペーターゼン 
制作費2700万ドル
主題歌 リマール

 

原作『はてしない物語』 上下巻
原作では、主人公の本を読む男の子は、容姿にコンプレックスを持つ
読んでいる本の中で、存在するようになり
願いは、何でも叶うようになる。
その力は、権力欲、虚栄心を増大させていく
自分の願いを叶えていくたびに
現実世界の、コンプレックスや考え方も、忘れていく
すっかり、人間が変わってしまった。
願いが叶ったとしても、心が満たされるわけではないことが、表現されている。

 

原作者は、映画のデキに不満で、
法廷で訴え、自分の名前をクレジットから外させた。

 

子供の頃、大ヒットした心に残っている作品です。
むしろ、大人になった今、心にどのように映るのか、興味がありました。
今回、内容を書いているうちに、長くなりました。
ネタバレですので、ご注意ください。

 

主人公の男の子、セバスチアンは、日本でいうとこの小学4~5年生ぐらい
勉強よりも、本や空想が大好き
教科書に、ユニコーンの絵を書いたりする
昨夜も、母の夢を見たことを、父に話す

 

母親を病気で亡くして、まだ数年も経っていない様子
寂しさは、父親も同じように感じている。

 

父「ママが死んだからって、いつまでも泣いているわけにはいかない」

 

父「馬は好きだけど、本物の馬に乗るには、怖がっているんだって?」

 

父「お前は、もう大きいんだから、夢みたいなこと考えてないで、自分のやるべきことをちゃんと、やらなきゃ」

 

セバスチアン「はい、パパ」

 

「空想はやめて、しっかり現実を見るんだ!いいね」

 

セバスチアン「わかった!」

 

登校中、いじめっ子三人に追いかけられ、逃げ込んだ本屋
店主は、「子供は嫌い」と言う
店主「いじめっ子に、ガツンと食らわせろ!」
セバスチアン「僕、自信ないもん」

 

セバスチアンは、店主が読んでる「特別な本」に、興味が湧く

 

普通の本は安全、読んでいる間、主人公になれる
だが、読み終わると、現実のいつもの自分に戻ってしまう。
店主「お前さんが持っている本は、ぜんぶ安全なんだ」
そこへ、電話が鳴る。
店主「忘れるんだ!この本は、おまえさん向きじゃない」

 

本屋
電話が終わった店主、
子供が本を持っていったと分かり、嬉しそうに、微笑んでいる。

 

本の内容『ネバ―エンディングストーリー』の舞台は、ファンタージェン国
(スターウォーズに出てくる、宇宙の住人たちのよう)

 

岩食い男「ロックバイター」が、旅をしている
石灰岩を「いい香り、こりゃあ、年代物だな~」と食べる
「おいらの北の方では、美味しい岩が、たらふく食えたんだ。でも今は、みんな無くなっちまった。湖も岩も、跡形もなく、なんにも無くなった。」

 

西も、南も、摩訶不思議な「虚無(きょむ)」が、なにもかも無にしている
女王様に、なんとかしてもらおうと、象牙の塔へ向かっていた。

 

女王は、みんなの守り神
もう、何千万年も生きているのに、今でも子供の姿のまま
しかし、重い病で、明日をもしれぬ
虚無が、この国も、女王も滅ぼそうとしていた。

 

女王はすでに、虚無と戦える最後の頼みの綱へ、使いを出していた。
バッファローを狩る平原の民の中に、偉大な勇者がいる
その名は、「アトレイユ」
アトレイユ

 

女王様の治療法を探す旅
しくじれば、ファンタージェン国は確実に滅びてしまう

 

勇者アトレイユは、女王から、ペンダント「アウリン」を受け取った
「そのペンダントは、お前を導き、守ってくれるだろう」

 

アトレイユと、馬の「アルタクス」は、
シルバー山脈を探し歩き、絶望の砂漠をさまよい、水晶の塔にも行った

 

もう残る希望は、ただ一つ、生きた化石「モーラ」を探しだすこと
悲しみの沼のどこかの、コウラ山に住んでいるという

 

この沼で、悲しみに取りつかれた者は、沼の底に沈んでしまう
昔から、そう言い伝えられていた。
アルタクス

 

アルタクスは、沼で動かなくなり、とうとう沈んでしまった。
一人になってしまったアトレイユは、悲しみと闘いながら、歩き続けた。

 

コウラ山を見つけ、モーラと話すことができた
本を読んでいるセバスチアンが、「アー――――!」と叫んだ声は、
本の中に、描かれていた。
「僕の声が聞こえるなんて、そんなわけないじゃないか」

 

生きた化石モーラ

 

モーラは、「どーでもいいことさ…」が口癖
若さのアレルギーで、くしゃみを連発
「女王が今でも、子供の姿のままなのは、新しい名前を、次々ともらっていたからだ。
次に、新しい名前をさしあげられる者を知りたければ、
南のお告げ所へ行って、聞くといい」
「しかしそこは、1万マイルも離れているから、あきらめな!」

 

本を読んでいる現実のセバスチアンは、授業をさぼって学校の屋根裏部屋
外は嵐、雷が恐ろしげに、とどろいている。
怖くなって、逃げ出そうとするが、
「アトレイユなら、あきらめないぞ!」と引き返す。

 

アトレイユは、沼に足を取られながら歩いていた
アトレイユを阻止しようとする虚無の使いの狼が
すぐそこまで、迫っていた。

 

力尽きたアトレイユは、沼に沈んでゆく、もうダメ~
そこへ、マルチーズ風ドラゴン、「ファルコン」が登場
愛らしい耳と顔、
鋭い牙と唸り声の狼を、間一髪のところで、かわして、
暗い空へと、白い毛をなびかせながら、飛んでいく

 

幾晩も眠っていたアトレイユ、ファルコンの前足で目を覚ます
服は綺麗になり、傷も手当されていた。

 

ファルコン「あきらめさいしなければ、ツキはやってくる」

 

小人の夫婦が、世話をやいてくれた。
南のお告げ所へ行くには、二つの門を、通らなければならない。
第一の門は、向かい合わせに座るスフィンクス
まだ、だれ一人として、くぐり抜けた者はいない。
通る者が、ちょっとでも、怖じけづいたら、
スフィンクスの目が、カッと見開て、攻撃されて死んでしまう

 

アトレイユは、スフィンクスの前に向かった
死体をみて、怖じけづきそうになる
スフィンクスの目が、徐々に光出してきた
小人「自分を、疑ってはいけない!」
セバスチアン「自信を持つんだ!走れ!」
アトレイユは、走り出して、門を突破する

 

第二の門は、魔法の鏡の門
自分の本当の姿が、見えてしまう
「優しい者が、ひどく残酷だったり」
「勇敢だと思っていたやつが、臆病だと分かる」
「自分の真実の姿を見せられると、大抵の者は、悲鳴をあげて逃げ出す」

 

鏡の中に、本を読んでいるセバスチアンの姿が、映しだされた。
セバスチアンは、本を投げ、
「こんなことあるわけないよ、どうして、お話しの中に、僕が出てくるんだ。」

 

アトレイユは、心を乱さずに、鏡の中へ、入っていった。

 

そこは、南のお告げ所
「女王様に必要なのは、新しい名前です」
「人間の子供しか、新しい名前をつけられない」
「人間の子供に会うには、ファンタージェンの果てまで行かなければなりません」と告げられる

 

アトレイユは、人間の子供を探して、ファンタージェンの果てまで向かった。
ファルコンは、運だと言う
幾つもの山脈を超え、海を越え、湖を越えて行った。

 

セバスチアン「僕に言ってくれたら、付けてやるのにな~」
「僕のママは、とっても素敵な名前だったんだ」

 

そして彼らは、可能性の海にたどり着いたが、それ以上は進めなかった。
虚無が、アトレイユとファルコンを襲い
アトレイユは、ファルコンから落ちて、はぐれてしまった。

 

「アウリン」を失くし、幸運のドラゴンともはぐれ
自分がしくじったことで、崩壊が進んでいくファンタージェン

 

漂着したアトレイユは、廃墟の壁画に、物語が描いてあった。
続きには、狼の「グモルク」に会うことが描かれていた

 

グモルク「ファンタージェンに果てなんか無いのさ」
アトレイユ「でたらめ言うな」
グモルク「ファンタージェンは、人間が作った空想の世界、どんな場所も、どんな生き物も、人間の希望のかけらから作られたものさ、だからこそ、果てしなく膨らみもする」
アトレイユ「じゃなぜ、この国は、滅びようとしてるんだ」
グモルク「近頃の人間は、みな希望を失ったからだ、だから虚無が勢力を伸ばしてきた」
アトレイユ「虚無ってなんなんだ」
グモルク「夢を失った虚しさだよ、絶望的な虚しさ、今にこの国を亡ぼす!俺様は、その手伝いをしてるって訳さ」
アトレイユ「でも、どうして」
グモルク「夢と希望を失った人間は、簡単にあやつれる。やつらを思い通りに動かして、権力を握るんだ」

 

アトレイユは、「どうせ死ぬなら、戦って死ぬ」
勇敢に戦い、グモルクを倒す

 

ファルコンは、海の中に落ちたペンダント「アウリン」を拾い
虚無の中にいた、アトレイユを見つける

 

ついに、ファンタージェンは崩壊し、粉々になって、宇宙に漂っている
ファルコンの背に乗ったアトレイユは、
ペンダントのアウリンに願う
「象牙の塔がまだあるなら、僕らをそこへ連れて行って」と

 

象牙の塔が、宇宙を漂っているのが見えた
女王様のもとへ行こうとするが、
しくじったアトレイユは、躊躇する

 

悲しそうなアトレイユ
アトレイユ「僕は失敗しました」
女王様「いいえ、そんなことはありません、ここへ連れてきたんですもの」
アトレイユ「だれを?」
女王様「人間の子供よ。あなたと一緒に苦しんで、あなたの身に起きたことを一緒に体験したのです。なにもかも、私たちの話しを聞いているのですよ。本屋さんに逃げ込んだ時から、ずっと私たちと一緒なんですもの。あの子が読んでいるのは、自分の物語、たった今もね」
女王様

 

セバスチアン「ほんとに、僕のこと?」
「しっかり現実をみなきゃって、パパが」

 

女王様「セバスチアン、私の名前を呼んで!」
セバスチアン「わかった、やるよ!夢で見た通りにやるからね」
セバスチアン「モンデキント」(月の子の意味)

 

真っ暗の中で女王様は、
「大きかった私の国は、たった一粒のこれだけになってしまった。しかしファンタージェンは、また新しく生まれてきます。あなたの夢と、希望から」
セバスチアン「どうやって?」
女王様は、一粒を手渡し
「さっ、なにか願い事をしてみて」
セバスアン「分かんないや」
女王様「それじゃ、ファンタージェンは生まれてこないわ、もう二度と。いくつでも好きなだけ、あなたが沢山願い事をするほど、前よりももっと素敵なファンタージェンが生まれてきます」

 

セバスチアン「僕の、一番の願い事は…」

 

ファルコンに乗って、雪山を越えてゆく、セバスチアン
「ファルコン、僕が想像してたより、ずっと素敵だよ。」
「虚無なんて、最初から、どこにも無かったみたい」

 

 

終わりのない物語には、どうしても善と悪の、二つが必要でした。
しかし本当は、善も悪もないことは、
阿吽の気づきを読んでいる私たちは、知っています。

 

アトレイユは、ファンタージェン国のために、自分を信じ、あきらめず勇敢に戦った
読んでいる私たちにも、その思いに共感する。
セバスチアンの心の変化
自分の望みに忠実に、自分らしく生きてもいいんだと、自分を肯定できた。
本の主人公を応援するように、自分自身を応援する。
偉大な勇者となって、現実も、生きられるようになる。
誰でも、夢を夢みて、現実化してゆくことができるんだ。
それが、人生の真実

 

現代は、特になりたいもの、やりたいことが、漠然としたもの。
まさに虚無、
渇望している目的や動機が、虚しさをうめるためのもの
過剰なテレビ、携帯の情報、SNSなど、
外の環境、時代の影響が強すぎて、
自分を信じる力、感じる力から、疎遠になってしまった。

 

自分の物語は、自分で描くことができるんだ。
その逆の方法は、「すべてお任せ」
心を働かせず、あるがままを受け入れていく。

 

それが真理だと、内側で感じるから、私たちは感動する。
終わりのない物語の答えは、自分の中にある

 

 

Never ending Story 歌詞和訳

 

振り向いて
目に映るものをよく見てごらん
彼女の顔が
鏡になって君の夢を映している

 

自分はどこにでもいると
思い込んでごらん
私は物語の文の中に隠されているから
ぺージに記されているものこそ
終わりのない物語の答えなの

 

星に手を差し伸べて 
空想の中に飛び立とう
夢を夢見て
今思い描くものを現実にするんだ

 

彼らが秘める謎が
雲の向こうで解き明かされていく
虹の上にあるものこそ
終わりなき物語への答えなんだ

 

彼女が消えてしまうかもしれないからと
怖がらないで
新しい一日は
君の手から始まるんだ

 

彼らが秘める謎が
雲の向こうで解き明かされていく
虹の上にあるものこそ
終わりなき物語への答えなんだ

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